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もう遅いか、もう一丁だ。~銀杏BOYZ『ボーイズ・オン・ザ・ラン』

2009年12月09日

『17才』(南沙織のカバー)から約一年振りのシングル発売は、憧れだった人に再会を心待ちにする少女のように指折り数えて待ってました。
(実際そんな大層なものでもない)

また映画のタイアップか、と一部のファンは憤慨していましたが、お前らは純粋に待てないのかと。
気持ちは分かるけどね。


 『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 銀杏BOYZ

ボーイズ・オン・ザ・ラン



ボーカル・峯田和伸の主演映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(原作・花沢健吾、監督・三浦大輔、2010年1月30日公開)の主題歌であり
発売前からスペースシャワー等で公開されていた奇抜なプロモーション・ヴィデオが何かと話題ですが、それよりも漸く銀杏BOYZの活動再開に目を向けるべきじゃないでしょうか。

バンドとして沈黙を守り続けた一年間、難産の末、レコード屋に並んだこのシングル。

やたら高音のギター。
妙にメロディアスなベース。
微妙にリズムのズレたドラム。
生々しく掠れたボーカル。
相変わらず音が悪くて荒削りなバンドサウンドだ。
倒されても倒されてもファイティングポーズを崩さない、ストーカーのレッテルを貼られるほど世間ズレした男の魂の闘争が約5分強の尺で展開されていた。

闘うには遅すぎるのか。
いや、時期など関係ない。
覚悟を決めて走り出した時が、その時だ。
殴られ倒され、1000回負けても1001回諦めない往生際の悪さが、何時か1位と認められるまで闘いは続く。

「もう一丁だ」と言うのは、漫画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』でライバルに完膚無きまで打ちのめされた主人公が一度も振るえなかった拳を
唄の中では遺憾なく振るい、闘っているのではないだろうか。

2曲目『べろちゅー』。
LIVEでは何度か弾き語りで披露されていたものがやっと形になった。
しっとりどころかドロドロ体液にまみれたラブ・ソング。
バンドアレンジになったせいか、歌詞を変更したせいか、恋の歌としてはやや純度が低くなったように感じる。

ボーナストラックには『夢をあきらめないで』。
岡村孝子女史のカバー…と言うか、映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で主人公・田西がカラオケで歌ったもののフル尺です。
しかし、どこまでが演技なのか分からないほど…ひどい(笑)。
主人公がヒロインに向けて歌ったもの、と思えば少し切ない、かもしれない。
個人的にはすごく好きなんですけどね。

ああ、しかし駄目だな。
色々と思い入れが強過ぎて、どうしても主観が入ってしまいました。


これは余談ですが、iTunes Storeなどで一曲ずつダウンロード購入すれば、CDを買うより断然安く済んでしまうんですね…。
捨て曲に当たらなくて済む率は上がりますが、捨て曲が存在することで
バンドや歌手をより身近に感じたり、思い入れも強くなる…と考える私は今の時代についていけてないのでしょうか。

このままCDがどんどん消えていくのかと思うと何だか悲しいですね。

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