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僕はそんな人間じゃない~森山直太朗『新たなる香辛料を求めて』

2009年08月03日

巷では青春パンク(笑)しか聴かない人と思われてますが
活動休止中のキンモクセイなど歌謡曲・ポップスの流れを汲むアーティストも実は好きなのです。
背骨を抜かれたロックや角の取れたヒップホップ主体の音楽が跋扈する今、敢えてそれをやる姿勢に好感が持てる。

あと、厳密には「青春パンクに勝手に分類されたバンドが好きなだけ」で青春パンクというジャンルには懐疑的なんです。
ってのはどうでもいい話で今回は歌謡曲・ポップス方面の話。



 『新たなる香辛料を求めて』 森山直太朗

新たなる香辛料を求めて



カミングアウトする。
購入の動機は『生きとし生ける物へ』を聴きたいがためだけだった。
以前、同曲のプロモーションビデオを見てずっと格好いいと思っていたからだ。
しかし今はそんな生っちょろい気持ちで買ったことを後悔している。
森山直太朗が「唄」に対してこんなにも真摯でいて、魂を吐き出すように歌っていたのに、私はその上っ面しか見ていなかったのだ。

裏声やコブシを利かせた彼の歌唱法は、癖と取るか独特の個性と取るかで評価は割れるだろう。

ただひとつ「声」を武器に、「表現」の大海原を「魂」という宝を求めて往く冒険家の如く。

『新たなる~』のアルバム発売前後にシングルとなった『太陽』『愛し君へ』『声』『生きとし生ける物へ』は
微妙にアレンジが違うので聴き比べてみるのも面白いだろう。
個人的には『太陽』『生きとし生ける物へ』はシングルの方が完成度が高いように思う。

けれどシングルで展開されるのは彼の世界のほんの一部に過ぎず、アルバム収録曲を聴いてようやくその全貌が明らかになってくる。

中でも若きボクサーの夢と挫折を歌った『青春のメモワール』での情景描写は素晴らしいの一言に尽きる。
クドい歌い方も「もしも負けたら君の実家の呉服屋を継ぐ」とどこか古くさい(…失礼)詩も
森山直太朗が歌い上げたからこそ「唄」と成り得たのではないだろうか。
(この曲限定でプロアマ問わず彼を超えるカバーをしている方がいらっしゃったらお手数ですがご一報を。)

『さくら(独唱)』のイメージしか無い人にこそ聴いていただきたいアルバムだ。


最後にもうひとつカミングアウト。
『紫陽花と雨の狂想曲』はごめんなさい、ストーカーの歌に思えました(笑)。
一見、爽やかなのにネチッこい(歌い方的な意味で)ストーカーというのがいちばん質が悪そうです。



 評価
声 ★★★★☆
唄 ★★★★★
詩 ★★★☆☆
魂 ★★★★☆
総 ★★★★☆

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コメント

『紫陽花~』は本人もストーカーの曲って言ってたと思います(笑)
一途とストーカーって紙一重ですね。

>通りすがりさん
コメントありがとうございます。
やはりストーカーの曲でしたか。
一途も度を過ぎると良くないものだとこの曲を教訓にします。(笑)

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